第5幕を語る

第5幕は歌い手にとって最重要な終幕。

オンダ、アズーラそしてネレオの3人のアリアで物語を終わります。
最後の幕がアリアで終わるなんて通常のオペラではありえない構成らしい。
私は大トリ。ネレオのアリア「偽りの君」を歌います。
シレーナへの後悔からついには狂っていくネレオ。
それは哀しみなのか怒りなのかもうわからない程におかしくなってしまいます。
この五幕のアリア三連発こそがこのオペラのそして私達の歌手冥利につきる最大の見せ場だと自負しています。
三重野さんの「母に捧げるアリア」
坂本さんの「恋の魔力」
この二つのアリアも練習で聴いても鳥肌立つほど完成している。
私も負けてはいられないと鏡の前で狂ってみたり怒ってみたり哀しんでみたり。
本当にその姿見せられない(笑)
そしてこの「哀しみシレーナ」を語るには後二人紹介しなくてはなりません。
一人は作曲者の武井先生。
ひょんなことで出会い先生もまた私に巻き込まれた一人です。
当初はオペラを作曲するなんて全く思っていなかったでしょう。
ですが作られた曲の素晴らしさ。リハーサルにも常に付き合ってくださり次々に意見を聴いてもらって対応してくださりました。
曲の美しい旋律は私達に可能性と命を吹き込んでくれました。
そしてもう一人が原作者であり演出であり総合プロデューサーでもある植村文明さん。
私達の可能性を一番信じてくれた人です。
私達に大きなチャンスをくださいました。
びっくりするほどの難題を突きつけられ四苦八苦しました。
それも私達をできると信じてくれたからこそ。
三年前とは比べ物にならないほど私達を進化させ導いてくれました。
三年の成果は是非皆様の目で確認してください。
泣いても笑っても世界初演はもうすぐそこ。
皆様に是非みていただきたい。
私の全てを!
皆様お待ちしています。

コメント